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久しぶりのピアノ調律、費用や時間はどれくらいかかる?現役ピアノ調律師が解説!


仙台のらすかるピアノ調律所、ピアノ調律師の岡めぐみです!本日は、久しぶりにピアノを調律しようかな?という方のために気になる費用や時間、注意点などを解説したいと思います。


目次
1. 長年、調律していないピアノの状態は?影響を受ける部分
・ハンマーなどのフェルト類
・弦などの金属
・アクションに使われる革
・響板や鍵盤、外装などの木部
2. 気になる費用
3. 実際の調律・修理例

1. 長年、調律していないピアノの状態は?影響を受ける部分
【ハンマーなどのフェルト類】
↓ヒメマルカツオブシムシの被害にあった鍵盤下部

ピアノに多く使われているのが”羊毛”です。主に弦を叩くハンマーやそれを支えるクッション、鍵盤裏のクッション、弦の隙間、アクション部分や止音の役割をするダンパーなど、あらゆる所に使われる素材です。長年使われることで消耗・劣化し弾力やクッション性を失っていきます。一番よくあるのが虫食いで、激しく食べられている部分は交換修理する必要があります。

【弦などの金属】

ピアノには数種類の金属が使用目的により使い分けられています。弦、それを支えるチューニングピン、アクション部のバネ類、ワイヤーなどなど・・長年使われずにピアノの蓋も閉めっぱなしで錆びてしまい、内部の動きが悪くなることで音が出なくなってしまったり、逆に音は出るが止まらないなんてことも。アクションの関節部分である”センターピン”が錆びてしまうと、音が出なくなったり出ても連打が効かなかったりします。
金属の中で一番影響が出やすいのはやはり弦です。錆や断線、調律をしてもすぐに音が狂ってしまう”ピンズル”も起こり得ます。

【アクションに使われる革】

アクション部分に少し使われている革も、消耗するとクッション性を失い雑音の原因となります。

【響板や鍵盤、外装などの木部】

木部は過乾燥が続くと割れを起こし、逆に湿気が多いとカビが生えたり膨張して音程の狂いを引き起こします。調律師は、”ピアノの心臓”と言われる響板の割れがないかをまずチェックしながら音を聴きます。万が一、響板や弦を橋渡しする駒などに割れが生じていると、通常の調律では直すことが不可能です。
長年調律していないピアノは、弦のやチューニングピンの柔軟性を失い、ピッチが大幅に下がっていることはもちろん、ピアノの良い音を引き出すことが難しくなっています。そのため、調律では2度、場合によっては3、4回、230本ほどあるチューニングピンを廻し(調律する)ピアノに柔軟性を持たせる必要があります。毎年調律しているピアノは一定のピッチに調律されることに本体が慣れていますが、長年調律していないピアノは一度の調律では音律が安定せず、より短いスパンで調律する必要があることが多いです。
また、調律の変化と同じくらい、アクション部分の調整もずれてタッチにばらつきが出ていることがあります。


2. 気になる費用

これは、ピアノ調律師により変わると言ってしまえばそれまでですが、一般的な例ですと、基本調律料+割増料+修理費用になることが多いです。割増料ですが、調律年数があけばあくほど作業は大変になりますので、その手間賃となり、年数でプラスする方式と、かかった時間でプラス+する方式、どちらも存在するようです。調律師によっては”割り増し料金いただきません”というところもあるようですが、調律師も人間ですのでそういった調律所は”一台にあまり時間をかけずに調律(調律台数を増やすことで売り上げを維持)”、もしくは”修理やオプションをプラスして単価アップ”このような構造となっていると感じています。本当にピアノを直したいのであれば相応の時間と費用がかかるのです。
弦が切れている、音が出ない、などの致命的な修理は最優先に行う必要がありますが、万単位で掛かるピアノ調律料ですので、ご予算に応じて対応も可能です。例えば今回は調律と調整をし音律を整え、修理は次回に・・というようにフレキシブルなプランを組むのも良いでしょう。

当調律所では、今回は一日かけて調律と調整をして修理は次回いこう少しずつ・・というように長いスパンでピアノを良い状態に育てていくこともおこなっています。

3. 実際の調律・修理例
実際の例が気になることと思いますので、当調律所で行った調律・修理例を見ていきましょう。

①アップライトピアノ(2011年製造) 前回調律7年前
■状態・・未調律による大幅な調律の狂い、部屋の過乾燥によるネジなどの緩み、タッチのばらつき
■作業内容・・調律2回、アクション調整、整音、清掃、鍵盤調整
■作業時間・・4時間半〜
■料金・・調律基本料(¥15,400)+割増し料¥7,700(¥1,100×7年)=¥23,100税込

②アップライトピアノ(1983年製造)前回調律15年前

■状態・・未調律による大幅な調律の狂い、経年変化によるバットスプリングコードの劣化、フェルト類の虫食い、タッチの変化、ペダルの雑音
■作業内容・・調律3回、バットスプリンコード交換修理、アクション調整、整音、清掃、鍵盤調整
■作業時間・・2日間(調律調整5時間、修理3時間)
■料金・・調律基本料¥15,400+割増し料¥16,500(¥1,100×15年)+バットスプリングコード交換修理¥33,000+出張料¥1,100=¥65,000税込
※フェルト部分の虫食いは次回以降修理することに決定

③グランドピアノ(2004年製造)前回調律3年前

■状態・・高い使用頻度のため調律の狂い、高音弦の断線、湿気により音が止まらない(止音不良)、音が出ない(センターピンの錆び)、タッチのばらつき、など
■作業内容・・調律2回、張弦修理、ダンパー調整(止音不良解消)、センターピン交換修理(5箇所)アクション調整、整音、清掃、鍵盤調整
■作業時間・・5時間〜
■料金・・調律基本料¥17,600+割増し料¥3,300(¥1,100×3年)+張弦修理料¥5,500+センターピン交換修理¥5,500(¥1,100×5カ所)=¥31,900税込

以上が実際の例になります。少しイメージが湧きましたでしょうか?どこまで手を入れるか、どれくらいの費用をかけるか、によって調律費用は変わってきます。また、調律を頼む際には、調律師選びにこだわってほしいと思います。音楽仲間やピアノの先生に良い調律師はいないか聞いてみるといいかもしれませんね。

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