乾燥するこの季節、ピアノにとっても変化が大きい時期です。暖房をつけたとたん、ピアノの音が狂ってしまったということになりかねません。今日は、ピアノの狂いを抑えるコツをお伝えしたいと思います。
目次 |
1.ピアノにとっての適する温度・湿度 |
2.暖房設備別!気をつけるポイント ・エアコンの場合 ・床暖房の場合 ・石油ストーブ・ファンヒーターの場合 ・その他 |
3.終わりに |
1. ピアノにとっての適する温度・湿度
それは、室温15〜25度、湿度50%前後です。人間にとってちょうどいい温度が、ピアノにもちょうどいいということになります。安いもので構いませんのでピアノの近くに温湿度計をおき、日々チェックすると良いでしょう。
2. 暖房設備別!気をつけるポイント
〈エアコンの場合〉
エアコンは空気を汚さないのでピアノを管理する上で最も適している空調設備ですが、過乾燥と風向きに注意してください。エアコンの真下にピアノがあるという状況は特に、ピアノに温かく乾燥した風がピアノに直接かかってしまいますので、響板が水分を失い弦への圧力が減ることで音律の低下を招きます。エアコンを使う際は、ピアノに風が当たることを避け、湿度計を見て40%を下回る時は加湿器をつけることをお勧めします。(※加湿器は気化式のものをお選びください)
〈床暖房の場合〉
できればピアノのある部屋には床暖房がない方がよろしいでしょう。ですが、やむを得ず使う場合は、床からの熱と乾燥にご注意ください。ピアノが熱で温まることを防ぐ床暖房用・敷板も販売されていますので検討するのも良いですが、ピアノを部屋に置く前に購入・設置する必要があります。もう床暖房の上にピアノを置いてしまったという方は、断熱効果のあるアルミシートをピアノの下に滑り込ませておくのが有効です。これならすぐにできると思います。
↑アルミシートを敷いた例
〈石油ストーブ・ファンヒーターの場合〉
急激に使用しますと灯油を燃焼する時に水蒸気が発生しやすく、金属部分のサビにつながりますので弱運転でゆっくりと部屋を温める必要があります。何となく鍵盤のタッチが重かったり音が出にくいといった症状の原因はファンヒーターであることがあります。水蒸気が発生するのでそんなに乾燥は気にならないかもしれません。
〈その他〉
床の穴から温風が出る全館暖房や、オイルヒーター、セラミックファンヒーターなどいずれも過乾燥を招きますので、湿度計を見ながら加湿器をご利用ください。その他、洗濯物を部屋に掛けたり植物に水をやったりすることでも部屋の湿度は上げることができます。
3. おわりに
いかがでしたでしょうか?日々のちょっとした心がけで、ピアノの状態は驚くほど変わります。より永くお使いいただくために、ぜひ工夫してみてくださいね。