グランドピアノの屋根正しい開け方を知っていますか?これから弾く方も、グランドピアノを持っている方も意外と知らない(かもしれない)ピアノの屋根の正しい開閉のことを解説していきます。そんなの知ってるよ〜!という方も、ぜひこの機会に再チェックしてみてください。
開閉のパターン3種類
では実際のピアノの画像を見てみましょう。まずはこちら「全開」の状態です。大屋根を支えているのは突き上げ棒と呼ばれるもので木材でできており、ピアノの側面の金属のヒンジに取り付けてあります。
次に、「半開」の状態です。全開の時に使った突き上げ棒の、三分の一ほどの長さになります。
最後に、小開です。とても短く、機種によっては装備されていないこともあります。ちなみに私は調律師になるまでこの存在を知りませんでした。笑
開ける時の注意点ですが、大屋根はとても重く、指を挟むなど怪我をしないように注意が必要です。コンサートグランドピアノですとなおさら重いので、開閉は会場の係の人に頼むか調律師に任せていただいた方が良いかと思います。
また、開ける時は腰を痛めないよう膝のバネを使い全身で持ち上げるとうまくいきます。腕だけの力であげようとすると腰や腕を痛めるので気をつけてください。(そのせいなのか、我々ピアノ調律師は腰痛持ちが多いです・・・)
屋根を持ち上げたら、突き上げ棒を屋根の受け皿に固定してください。この時、屋根の持ち上げる高さが足りないと突き上げ棒が接触し、屋根に擦り傷が付いてしまうので気をつけてください。固定する位置は、
奥の皿が全開、手前の皿が半開・小開です。
全開する時によくあるのが、誤って半開用の皿に固定してしまうことです。そうしますと突き上げ棒が滑り事故の原因となり、大変危険です。屋根と突き上げ棒の角度は90度になるよう設計されています。
また、小開の時、屋根と突き上げ棒の角度が90度にならない場合があります。不安を感じる事から、受け皿以外の所に固定される方がいらっしゃいますが、これもやめましょう。必ず受け皿に固定してください。図で見ますと・・
この、固定位置の間違いはよく見かけます。有名な方のCDジャケットであったり、雑誌やCMなどで見かけることがあり、調律師はハラハラしています。
今回は、屋根の開閉の注意点について解説しました。仙台らすかるピアノ調律所では、調律に関する様々なご相談に乗っておりますので、気になることがあればどうぞお気軽にお問い合わせください。